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お母さんとの思い出は、このくらいしかない。


というより、



覚えていない。


といったほうが正しいのかもしれない。



覚えているのはたったこれだけで、そのあとに


何を話したか、どーなったかも覚えてないんだ。


そう、




ママがいなくなったことさえも。





まったくといっていいほど、記憶にないんだ。









お兄さんは家族かもわからないし、



誰だかもわからない。



今思えば知りたくなかっただけかも知れないけど・・





あたしは、お兄さんと古い、今にも床が抜けちゃいそうな


ボロいアパートに住んでいた。



だけど、お兄さんは遊んでくれることもないし、


話しかけてくれることもなかった。


夕方になると、お兄さんはあたしの前にカップラーメンを置くんだ。


4歳のあたしは、


まだ、熱々のを食べれないのに。


こんなにたくさんの量・・半分で十分なのに。