そう言ってママは、あたしの右の薬指にはめてくれた。


「わぁ~きれぇ~!!ありかとーママ、だいちゅきィ~!」


そう言ってあたしはママに抱きつく。


ママは、抱きついてきたあたしの


頭を優しく撫でながら言った。



「ママもよ。これからも、そのずーと先も。
 愛のこと、大好きだからね・・」





ギュウッ




ママは、あたしを強く抱きしめてくれた。


ものすごく、強い大人の力で。



「・・?ママ?どーちたのぉ?」



そのときのママは、小さいあたしでも


ちょっとでも触れるとガラスみたいに、

砕けて、壊れちゃうくらいに弱弱しくって。



不思議そうにママを見つめているあたしの頬に、


雨でも降って来たんじゃないかってくらい大粒の


しずくが、あたしのほほを滑り落ちていった。



「・・ママ?泣いてる・・の?」



ママの頬を触ると、涙でしっとりと濡れているのが分かる。



「・・ごめんね、愛…ほんとに・・ごめんねっ・・・」