「雪就君はさぁ…」
『すとっぷ!』
「へ?」
急に話を止められた。
『俺ね、名前は呼び捨てがいいな。君付けで呼ばれたことないしさ』
「う、うん」
『で?俺が?』
話すことを促される。
「雪就く…雪就は、何歳で死んじゃったの?」
我ながらデリカシーの無い質問だなぁ…
なんて思ったけどにこにこ笑いながら答えてくれた。
『俺はねぇ、14の時に死んじゃったんだ。
でもあれから3年たったから今は一応17歳だよ』
聞いてもないのに歳まで教えてくれた。
「へぇ〜、じゃあ私と同い年なんだぁ」
『そうなの?なんか嬉しいな〜』
そういって笑った彼。
その笑顔をみてふと首もとに顔がいく。
「あ、そういえばさ、」
『ん?』
「その首からさげてる鈴はなんなの?」
一瞬、雪就の顔が苦しそうに歪んだ、
…気がした。
『コレはね、母さんの形見なんだ』
「お母さん、雪就より先に死んじゃったの…?」
『…うん』
急に目尻が熱くなる。
「雪就…!ごめんね…っ」
『なんで、雪奈が泣くの?』
「だっ、て、お母さんが居ないのは、かっ悲しいよ…」
それは、私がよく分かってるから…
『雪奈は、優しいね』
触れることができる筈ないのに頭をポンポンと優しく叩いてくれる。
そこがなんとなく暖かかった。
「…ありがとう」
『もうだいぶ暗いし早く雪奈の家行こう?』
「そうだね…」
空にはもう星と月が光っていた。
