続きは、このままで…



今まで私たちは、下僕として後藤家に仕えて来たけど。



これでは皆を苦しめるだけで、誰も幸せになんてなれない・・・




「東条社長は“例の日”に、雅貴様に会いに行くそうだ。

そこで多分、TS商事の不正やら何やらを暴くと思う…。

だけど社長は、俺を刑事告訴しないと言ってくれたんだ。

幸い大した情報は漏れていないし、真実を話してくれたからってな…」


そう話す兄の表情は、どこか吹っ切れたように見えたから。



私の中での決心が、一気に固まったの・・・





「お兄ちゃん…、私の事も東条社長に話しておいて…」



東条社長の婚約者のフリをして、大切な人を傷つけた事実を・・・



どうなるのかは、今までの経験を以ってしても全く解らない。




それでも私たちは檻の中から脱して、自由になりたい――