じゃなきゃ私は、禁句を告げてしまうと思う・・・ 「佳奈子、俺だけど…」 「お兄ちゃん・・・?」 そうして泣き明かした翌日、珍しく兄から呼び出しの連絡が入って。 休日だった事もあり、兄のマンションに急いで向かった私。 ピンポーン―― 到着すると、エントランスのインターフォンを鳴らした。 「お兄ちゃん、着いたわよ?」 「あぁ、悪いな・・・」 何処か歯切れの悪い応対のあとで、オートロックが解除された。 先ほどの態度をヘンに思いながら、目的地へと足を踏み入れていく。