茫然自失の彼女を見ていて、グッと心が痛んでいく。
私がそうさせておきながら、可哀想で仕方ないと思うけど。
だけど美女が打ちひしがれると、こんなにも綺麗なんだね…?
貴方の場合は、東条社長が愛していると言うのに知らないなんて。
雅貴様が動かなければ、あと少しで結ばれる所だったのに。
そんな罪悪感と醜い嫉妬が、心をグルグルと駆け巡っていた。
「悪いけれど、用事があるから失礼するわ。
蘭さん、これで分かってくれたでしょう…?」
「・・・・・」
問い掛けに答えられない彼女を見て、ソファから立ち上がった。

