タクシーを捕まえて行き先を告げれば、意思に反して順調に走行していた。 苦しい…、悲しい…、辛い・・・ 負の感情がグルグルと渦を巻いて、私の心を締めつけていた。 私がホテルへと足を踏み入れた瞬間、彼女の人生を変えてしまう。 彼女の心に、一生消えない傷を作ってしまう事になる。 こんな非情な想いを…、彼女にもさせようとするなんて・・・ “解ってるよな?” 「っ・・・」 それでも私には、雅貴様に逆らう事など許されないの――