会社のトイレで、赤い口紅を引いては、やり過ぎたかとティッシュで拭う・・・ 舞い上がったノリコはそれを繰り返していた。 (やっぱりノリコを忘れられない、今度こそ、妻とは別れるよ・・・) 期待に併せた隆也の台詞が耳を過ぎる。 ああ、隆也・・ どんなに会いたかったことか・・・・ 高鳴る期待を胸に、ノリコは待ち合わせ場所へ急いだ。