泳ぎなど知らないよと言い出しそうな丸く見開いた眼を向けて、ペロは激しく暴れ、もがいていた。 苔だらけの緑色のしぶきが辺りに舞い、飛び散る。 なんとか覗かせたペロの視線は、タエのそれを捕らえて離さない。 『あんた・・・ あんた・・・・ 』 タエはペロに向かって呟きながら、迷いもなく水面に飛び込んだ。 しぶきが舞う。 不安定な呼吸の隙をついて濁り腐った水が、勢いよくタエの肺を埋めつくした。