ノリコは動物が得意ではない。 オロオロしながらも、子犬の傍に腰を降ろした。 隆也からの待ちぼうけに疲れたのか、ふくらはぎが痛かった。 子犬はよく見ると、汚れてはいるものの、愛らしい顔つきをしていた。 フンフンと鼻を鳴らしながら、ノリコのふくらはぎをペロペロと舐め始めた。 (痛いのが、わかるの? ・・・ 痛いところ・・・ そうか、だから私の傍に来たのかな・・) 自分の胸を両手で押さえてみる。 (ここ・・・ ここを治して・・・ )