白いユキ




「…ユキ、今日は、マスターのところにいてくれ─」



「一緒には、帰れない…」


「ユキと二人でいたら、僕は、きっと、…過ちを犯してしまう…」


「自分を、止める自信がないんだ…」



ごめん。



あたしから、目を逸らすと、のぶは、店を出た。


あたしは、何も言えず。


…動けず。



気持ちが揺れて、どうしようもなくて、ばかな自分を恨んだ。




あたしの、嘘で、二人を傷つけたんだ。