白いユキ




「離れろ…」 の言葉に、ナツが、唇を離した。



驚きで、動けないあたしの顔を見て、悪戯っぽくニヤリと笑うとナツは、又、唇をおとした。


「…!?」


ナツのあたしの背中にまわした腕に力が入る。



声が聞こえなかったようにキスをするナツ…



絡み合う、舌。



息が止まるほどのキスにあたしは、抵抗できなくて…



ナツの唇が、あたしを求めるのを止めようとしない─





「聞こえなかったか!離れろ!!」



低い、怒りのこもった、男の声。



あたしは、うっすらと、目を開けて、声の主を確かめた。



─のぶ?!



あたしの体が、ビクッと揺れて、それを、合図のようにナツの唇が、体が、あたしから、離れた。


火照った、体の熱も、ナツに奪われたように、一気に冷めていった。



唇が離れた時のピチャ…という音が、酷く大きく聞こえた。