兄さんを探している…
それを、あたしは、理解している。
意味も。
全て。
だけど…胸が痛い。
わかっていても
何年経っていても、
─言葉に出すと、まだこんなに、辛いんだ。
体中の溢れる思いに、抗えなくて、あたしは、涙を止めることができなかった。
まだ、あたしは、あの人の愛情を欲しているの?
死ねばよかった…そう、言われたのに…まだ、こんなにも求めているんだ…。
ばかだね、あたし。
あの人には、兄さんしか見えてないのにね。
マスターが、頭を優しくなでてくれる。
何度も何度も。
愛おしむように、優しく。
あたしは、又眠ってしまった。
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