「彼女とは、それ以来会ってはいなかったんだが…… 和希が生まれて三才になるころ、偶然……会ってしまったんだ。 そして たった一度だけ、私と由美は、過ちを犯してしまった。 ……ただ一度だけ、愛し合ってしまったんだ。」 父さんは俯いて… とても思い詰めているように見えた。 「父さん…それを後悔しているの?」 あたしの問い掛けに 「いや、後悔していないよ。 そのおかげで、私は霞に会えたんだから…。」 父さんは、あたしに微笑みかけた。 *