やっぱりナツはめんどくさい男だった。 指輪を見なきゃよかったと、後悔はしなかったけど─ ナツと別れてから、あたしは一睡もせずに夜の街をうろうろ歩き回った─ 嘘をつかれた事より ナツがあたし一人の物じゃなかった事がショックだった。 自分の事は棚に上げて、ナツはあたしだけを愛してくれているんだと思いこんでいた。 そして─ そんな事を考えるあたしにあたしは、驚いていた。 *