「あら、まあ、惣領先生にはとてもお世話になっているのよ?」
「まあ、そうなの……」
園長先生はなにか、考えるように、目を細めた。
「……」
「…そう言えば、お兄さんよね?…確か、和希くんだったかしら?」
─えっ?
「兄をご存じなんですか?」
「ええ、昔、うちの園によく遊びに来ていてね…」
「そう言えば…のぶくんと仲が良かったと…高校も一緒じやなかったかしら?」
「えっ?…のぶと!?」
ニコニコしながら、話をする園長先生とは、対象にあたしは、固まっていた。
─なんだろうこの感覚……どきどきする。
「兄は、事故で亡くなったんです。五年前に…」
もつれた糸がほどけていく。
のぶと兄とあたしと父とぐちゃぐちゃに絡んだものが、ほどけていく。
そんな感覚に襲われた。
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