その夜帰ってきた父さんに明日のぶが来ることを伝えた。 「霞のお世話になった人なら、会わないといけないな?」 「明日は、なるべく早くかえるよ。」 「いや、男なら、……もしかすると彼氏か…」 ─す、鋭い……。 「彼氏かぁ…」 とうさんは呟いて、ネクタイを片手で緩めると、ふうっとため息をついた。 「それは、益々会わないと…」 父さんの焦るような、戸惑うような顔に あたしは、可笑しくなって笑った。 ─この家で笑うのなんていつぶりだろう… *