「そんなでもないけど、ねみぃ。」


「事故らないでね?」


「ん…有難う。」


眠い目を擦りながら、また欠伸をした。

「やべっ、そろそろ出ないと。9時に配達頼まれてたんだ。じゃあな?」


「事故には、気をつけてね?」


「有難う。亜矢、好きだよ?」


顔を近付けて、小さな声で囁いた。


空き缶をごみ箱に捨てて、配達の車まで走って行った。


小さくなる背中を、見つめていた。