ドキドキしてる。 簡単なようでだいぶ緊張する。 「呼び捨てでいいから」 そう、『ゆきちゃん』その呼び方が気になってた。 『ゆきちゃん』ってキャラじゃないんだもん。 「じゃあ俺のこともね」 必殺スマイルに私の頭は沸騰しそうだ。 こりゃ100℃は越えたなとか思ったりして。 「ゆき」 甘い声色は私の頭に響く。 「ゆき」 そうやって呼ばないでよ。 ドキドキしちゃうじゃない。 「ゆき」 何よ、私に呼べって言うの。 雪兎、なんて呼んだら死んじゃうかも。