とある男女の攻防戦




「するって」




そうそう。と、手に持っていたファイルから取り出された用紙には、


リハビリについてとかかれた紙。受け取って目を通す。





内容は必要なものだったり、担当の人が休みの日のことだったり…



「え、何これ休みないの?」


「うん。ここ、365日リハだから」





「…そっちは休むのに?」



「まぁね」





担当の人が休みの時は代わりに他の人が来る。日曜日もリハビリはある。



なにこれ、こんなに毎日リハビリするの。




「…帰りたい」


「良くなったらね」


ぼそりと紙から視線を上げて呟いた私に笑いながら穂積さんは言う。

なんだか涙が出てきそうだ。


私は、この男に足を触られ歩く練習をさせられるのか。




「泣きそう」




言葉に出して言って見たら、本当に泣きそうになって



視界が少し膜を張った。唇をぐっと引き結ぶ。


泣きたくないけど、なんでか悲しい。

「泣かないでよ。退院する頃には俺が担当でよかったーってきっと思うから」



「絶対思わない」




「みんな最初はそうやって言うんだよ」


笑ってこっちを見て来る視線は感じるけど、



私は敢えて視線を外す。

「…とにかく。明日からよろしくね。今日はちょこっと挨拶だけ」



「よろしくしたくない」




小さい子供のようにだだをこねるのはみっともないと分かっている。だけど、気持ちが追いつかない。