とある男女の攻防戦




ーー最悪だ、と思った。



何度目かの絶望感を味わうそんな私の反応が面白いのか、

目の前の男はとても嬉しそうに笑って



「言っただろ、福祉の心しか持ち合わせてないって」と笑った。


「……チェンジで」




「そんな制度ないわ」

分かってはいるけど受けとめられない。そんな状況で、今1番の希望を伝えれば、



ふはっと笑われてベッドの端に腰掛けられる。


「…ここ、」


「そそ。俺の働いてるびょーいん」


「理学療法士……」

ぽつり。呟いてみれば、手に持っていた名札を差し出してくる。


見れば間違いなく

リハビリテーション部 理学療法士 穂積聖と書かれていて。


顔写真は、今よりも若い。



髪の毛も、

今より若干長めで茶色がかった彼がこっちを見据えている。