「……え、え、何?」
「リハビリの挨拶に来ました」
「は?え、ちょっと、待って」
立ち止まって、にっこり笑顔を向けるその人に、
状況が分からない私は頭を抱える。
や、状況は分かるんだけど!
分かるんだけど、
え、な、なんで?
え、待ってなんで?
頭を抱え、俯いて必死に理解しようと、
受け止めようとする私に言葉が降ってくる。
「…すぐに病院行けって言ったのに来なかったんだな。あと1日待ってこなかったら家まで言って引きずって受診させようと思ってた」
顔を上げ、見上げる。
何度見ても一緒だ。一瞬。お見舞いにまで来たのかと思ったけれど。すぐに違うと分かる。だって、服装が…
上が白に紺のズボン。こっちの病棟に来て何度もすれ違ったーー、
「あ、…えっ…」
「―――改めまして。
濱野麻夕さんのリハビリ担当になりました、理学療法士の穂積 聖です」
にっこりと
胸元につけた名札をパチっと取り外し私に差し出して来た目の前の男。



