とある男女の攻防戦




さっきまでいた病棟から、
こっちの病棟に移動するのも手馴れた看護師さんたちがさっさと荷物を運んでくれて整理すらする必要もない。



一通り手術をするために入院した時のような簡単な質問をされ。



後でリハビリの担当者が挨拶にくると言われたのが30分前。

…ガヤガヤと賑やかで入院患者も見舞い客も多いここの病棟。


ちょっと動いてみようかとも思ったけど、挨拶にくると言われたら部屋を出ることもできず待っている。



が、本当に退屈だ。

あ、だめだ。何もすることなくて寝転んだら睡魔がやってくる。



だめだと思っても起きる気力はなく。

ま、いっか。来たら起こしてくれるだろう。



















コンコン、





ガヤガヤとした音の中。




鮮明に聞こえた音に

沈みかけていた意識が浮上する。


「はい、」


反射的に状態を起こしながら音のした方を見たのと、

開けっ放しのドアから人が入って来たのは同時だった。


「失礼します」




が。問題はここからだ。


すっ、と。


入ってきた、その姿に固まってしまった。



「…え、?」




数回、瞬きする。