とある男女の攻防戦


うん。感覚で分かるけどね。この後どうなるかなんて。


「このままだと明日ぼっこりだねー……」




「ぼっこりって」




「それくらいで済めばまだいいか…多分な…」


「え?」






「歩かない方がいいから。家、こっから遠い?」




な、何をするつもりなんだろう。こいつにそんな、関わって貰おうと思わない。第一私は今から約束がある。







「……親切にして頂いて申し訳ないんですけど、もう大丈夫ですから」


「大丈夫じゃないでしょ、こんなで」





「そこまで心配してもらわなくても結構ですから!」






「心配するよ」




「っ、」




私を見上げた男の顔が真顔で、


言葉が詰まる。気まずそうに私を見上げて、何か言い辛そうに……


何?


「俺が、ケガさせちゃったようなもんだし?」



「……は?」