ちょっとコイツ!痛いの分かってて!
痛みを堪えて上ろうとしていたのに逆に下へと引っ張られ、思わず蹴り飛ばしてやろうかと思う。一瞬で殺意わいた。
「……ここ、痛い?」
掴んでいた腕が離され再度触れる手。
引っ張られた強さと真逆の、優しい手つきに
思わずビクッと足を引っ込めた。
……もちろんすぐに引き戻されたけど。痛い?と聞いてきた男が触れたのは丁度くるぶしの下辺り。
触れていた指に力が少し入ったのが分かると、
次に私を襲うのは激痛。
「いっ、たい……って言ってるでしょ、」
「あー、やっぱり痛めてるね、やばいね腫れてきてる」
無視か。聞いてきたくせに。男を睨んでも私の足首を見てるから私からは頭頂部しか見えなくて。
その言葉に私も足首を見れば微かに、腫れてきてる。



