黙って受け取った穂積さんはそれをテーブルの上へ。
私も見える位置で。画面をスライドさせるその指の動きを黙って見つめる。画面は飲み物画面から、デザート画面へ。
少し悩み指が止まった後、いちごパフェを押す。
「ついでに頼む?」
「…じゃあ柚子ジェラートで」
「了解」
ぽんっと押され、注文が確定しました、の画面が出てきて、そのパッドは穂積さんの背中側へと消えて行った。
「甘いもの好きなんですね」
「ダメ?」
「いや…」
そんなこと言って無いんですけど。
「…で、結局なんですか」
「ん?」
「仕事」
さっきの続き。ふと気になって聞く。答えが分からないモヤモヤは嫌いだ。