「お前なぁ……」


「ごめんごめん!それにしても、ほんとーに翼って奥手なんだねぇ…」



健気だ!とか言って琉聖は涙を拭う真似をする。


…うるせー、ほっとけ!




「そんなんじゃ、一華ちゃん取られちゃうよ?」


「……分かってる」




…一華こと、三木 一華は俺の幼馴染だ。


俺は、小さい頃からアイツの事が好きだったりする。





『翼!』




普段は大人しく、決して目立つ存在ではない。


だけど、声楽部に所属している一華は、部活中はすんげー輝いてて。




そこがまた、惚れる要因なんだけどな。