「お前程じゃねーよ」
「えぇ!?俺は年上の女性しか狙わないからさっ!3年になって楽しみなくなっちゃったよー…!」
琉聖は、テニス部に所属していてエースを担っている。
実力は一番だが、どうも性格に難アリ。
キャプテンにいつも引き摺られてる姿を、良く見る。
そんな琉聖は、かなり年上の女にモテる。
…いや、年下や同級生からもかなりモテるけど。
可愛らしい容姿に、いつもニコニコ微笑む姿。
どうもそれが、年上の女の母性本能を擽るとかで。
…俺には、全く理解できねーけど。
「はいはい、そーかよ」
「それよりもさ、翼いいのー?
一華ちゃんっていう本命がいるのに、周りから告白ばっかりされちゃって!」
「なっ!お前声デケーんだよ!!」
「ははっ!翼可愛いー」
バッと琉聖の口を塞ぎ、視線を一番前に移す。
どうやら、気付いてないらしい。
…一番後ろの席で、ほんと良かった。