この前の、体育館のねんざ騒動。
たまたま体育館に入って来たのが俺のクラスで良かったけど。
もし、違う男子が瑠璃を運んだりなんて…
瑠璃に触れることを考えると、自分ではどうしようもないくらい
“その感情”をコントロールすることが出来ない。
――今もこうして。
満員電車の中、たくさんの人の波に揉まれないように、瑠璃をガードしてる訳だけど。
いつの間にか、こういう風に瑠璃を守るとか
朝、一緒に学校に行くとか
お弁当を食べるとか。
当たり前になっているこんな日常の中、瑠璃をひとり置いて
体験合宿になんか正直行きたくないんだ。
こんな当たり前な日常こそが、こうした俺を作っているんだろうけど。

