「ごめんなさい…」
結局、入って来たのは凜久のクラスだったんだ。
「はい、終わり」
最後に巻かれた包帯に、テープを止めてもらった。
「しばらくは、安静にしてなさいね」
軽いねんざよ、そう言いながら包帯を棚にしまう先生。
包帯を巻かれた足首を少し曲げてみると、弱い痛みが走る。
『気のゆるみは、ケガを招く』
いつか先生が言ってたっけ。
これからは、ピシッとしないと。
帰り、家までの道のりをずっと隣で心配そうに寄り添う凜久の表情を見て思う。
「凜久、今日はごめんね…」
「いいよ、少しの間瑠璃と一緒に寝れたし」
クスッと笑う凜久は、どこか大人っぽくて。
閉められたドアの向こう側を、しばらく眺めてしまった。

