* * * * * 「ふぁぁ……」 グッと腕を真上に伸ばすと、冷たくて固いモノにぶつかった。 ――あれ? 青い空が、白い天井。 チクチクした感触が、フワフワした感触に。 桜の香りを運んできた風なんか吹いていなくて。 鼻につく消毒液や薬っぽい匂いが混ざり合ったような…。 もちろんそこには凜久の姿はなくて。 視界いっぱいに広がる 天井、カーテン、布団、枕。 どれも白…シロ…しろ――。 そこでやっと、ここが保健室だって事にハッと気が付く。