本当に寝ちゃったのかな? このまま起こすのも、可哀想だし…。 「…凜久。おやすみ」 耳にかかる髪をそっとどかす。 返事はなかったけど、私はそのまま凜久の髪を撫でてあげる事にした。 ―――気づけば、ふたりとも… もう夢の中。 「んん…」 なぜだか、体が宙に浮くのを感じながらうっすらと夢と現実の狭間をさ迷う。 「――璃、…や…すみ」 片言に聞こえた凜久の言葉。 クタッと傾く体を温かい胸の中に委ねながら、また深い眠りに落ちていった。