「―――…瑠璃」 ………。 「やっぱり…」 全然起きないや。 そもそも、瑠璃が朝寝坊なんて。 一体どんな理由なんだ? 相変わらず、無防備な顔のまま寝息を立ててスヤスヤと眠っている瑠璃を見つめた。 「――…んっ」 スッと親指で唇をなぞれば、悩ましい吐息と一緒にこぼれ落ちてくる瑠璃の甘く艶やかな声。 どこまでも、――俺を揺さぶってくれる声。 「――…瑠璃っ」 今度は鼻を摘まんでみるものの、覗かせる足が左右反対に入れ違っただけだった。