「…ん…っ、り…くっ」 柔らかい舌が唇の間から割り込んできて、私の舌を優しく絡める。 行き場を失くした私の片手は、しばらく宙をさ迷った後…床に置かれた凜久の小指を握る。 ―――……あ、 ハチミツの味―――。 甘くて、溶けちゃいそう。 「入学祝いは、もらったから」 最後に軽く触れるくらいのキスを落として、私の小指をそっと握った。 「瑠璃」 ハンバーガーを包んでいた紙をクシャッと丸めた凜久が口を開く。 「あの時も――…」 ハチミツの味がしたよね。 多分それは…