「凜久、お疲れさま!ふふ……っ待ってたの。ビックリした?」 部屋を出た俺の背中に突き刺さるのは…… どこまでも無邪気な瑠璃の声。 どす黒い色に染まった心を、たったその一言で深くえぐられる。 本当は 今すぐ抱きしめて 「一緒に帰ろうか」 そんな簡単な言葉でさえ、口に出来ない。 振り向いてあげられない。 そして…… 一歩前へと、踏み出した。 保健室へ走っていった瑠璃はきっと…… 俺が待っていてくれるって信じてる。