「ごめん、瑠璃…俺…、」 “遊くん”の胸の中で、 しゃくりを上げながら泣いている瑠璃の姿だった。 押し返すことも、出来たはず。 そんな自分勝手な考えに支配されて。 分かってる―― それが出来ないのは、ふたりが “幼なじみ”だから。 分かっていたはずなのに。 今までずっと 胸の奥の、奥の奥―― 暗い底で張り詰めていた一本の糸が ――プツン、と切れた。