ベッドに沈んだ
ケータイが震えた。




「…わわっ!凜久だ…っ」

慌ててケータイを取ろうとしたら、手の中から滑り落ちてしまう。



どうしよう……。

なんだか変に緊張しちゃうよ。




震える手で、どうにか通話ボタンを押した。





『……瑠璃?』


朝、聞いたその声は…
どこか儚げで――。


名前を呼ばれただけなのに、プツンと糸が切れてしまったように。



なぜか、一筋の涙が頬を伝った。




『瑠璃………?』





――ダメ、それ以上…名前を呼ばないで。


歪み始めた視界が、さらに歪んでいってしまう。