運命の扉


少しのタイミングの違いで、これほどにも運命は違ってくるものなのだろうか。

あたしが早く優斗に告白していたら、何か変わっていた?

───ううん。
あの時こうしていたら、なんて関係ない。

莉紗の気持ちを優先して優斗を諦めたのも。

優斗があたしに気持ちを打ち明けたのも。

全てはこうなる運命だったんだ。


神様は意地悪かもしれない。
でも少しの優しさを持っているかもしれない。

敬ちゃんがこの時期に、あたしの前に現れた……

ボロボロになった傷口を、ほんの少しだけど癒してくれた。



────あたし、敬ちゃんと付き合おうかな。