あくる朝、サイが目を覚ました時には、とっくに歩いて帰ったのでしょう。
布団にカッパの姿はありませんでした。
 

安請け合いはしたものの、三日もするとサイはなんだか面倒くさくなっていました。
だいたいカッパのくせに送り舟など贅沢ってものです。
人間だって余程の金持ちでない限り、送り舟なんてやりません。

早い者で明日は十五夜になりますが、まだ何の準備もできていませんでした。
そればかりか、サイには送り舟をやる気さえ無くなっていました。