「まあ今はとりあえず・・・ってあれ?あれって竜二じゃない?」
美咲が指差す方向をみると、向かい側から歩いてくる竜二の姿が目に入った。
入学当時に比べ背が伸び、大きかったブレザーもちょうど良くなった竜二の姿は、誰が見ても成長したのがわかる。
制服のまま真っ白なマフラーを巻くだけの見るからに寒そうな竜二。
顔が見る見るうちに赤くなっていくのがわかった。
竜二はふと顔を上げ、幸と目が合うと目をぱちくりさせた。
「おう。お前ら帰るの遅いな!風邪引くから早く帰れよー」
竜二は笑っていた様だが、せっかくの笑顔は口元を隠したマフラーで分からなかった。
幸は竜二の言葉にすかさずつっこみをいれる。
「竜二の方が風邪引くって!で、なんで戻ってきたの?」
「俺は強いし!いや、ちょっと学校に忘れ物してさ。面倒だけど取りに行かなきゃやばいし」
「そっかあ・・・気をつけてよ?」
「ははっ、了解!」
竜二は幸に手を軽く上げながら走っていった。
その様子を見ていた美咲は、少し嬉しそうに幸を見た。
「ねぇ、案外うまくいってたんだ、竜二とさ。」
「はあ!?全然!!竜二は誰にでもあんなんだから」
「そうか?結構竜二・・・幸に優しいけどね」
「だから誰にでもなの!!」
幸は顔を赤くして強めに言った。
美咲は幸の顔を見て笑いながらマフラーをきつく巻き直した。
2月始め。
気づけば周りは雪で真っ白で、歩く人皆が頬や耳を赤く染めていた。
1年なんて長いようで短くて。
季節が巡るのなんてもっとあっという間だった。
勉強が嫌で早く大人になりたいだなんて思ってた時期もあったけど
竜二といたあの時間は
永遠に続けばいいと思ってたよ。
気のせいでもいいから
竜二といた時間が
長く感じればいいと思ってた。
竜二はあたしといた時間。
あたしが隣にいなかった時間。
何を思って
何を感じていたんだろう。
美咲が指差す方向をみると、向かい側から歩いてくる竜二の姿が目に入った。
入学当時に比べ背が伸び、大きかったブレザーもちょうど良くなった竜二の姿は、誰が見ても成長したのがわかる。
制服のまま真っ白なマフラーを巻くだけの見るからに寒そうな竜二。
顔が見る見るうちに赤くなっていくのがわかった。
竜二はふと顔を上げ、幸と目が合うと目をぱちくりさせた。
「おう。お前ら帰るの遅いな!風邪引くから早く帰れよー」
竜二は笑っていた様だが、せっかくの笑顔は口元を隠したマフラーで分からなかった。
幸は竜二の言葉にすかさずつっこみをいれる。
「竜二の方が風邪引くって!で、なんで戻ってきたの?」
「俺は強いし!いや、ちょっと学校に忘れ物してさ。面倒だけど取りに行かなきゃやばいし」
「そっかあ・・・気をつけてよ?」
「ははっ、了解!」
竜二は幸に手を軽く上げながら走っていった。
その様子を見ていた美咲は、少し嬉しそうに幸を見た。
「ねぇ、案外うまくいってたんだ、竜二とさ。」
「はあ!?全然!!竜二は誰にでもあんなんだから」
「そうか?結構竜二・・・幸に優しいけどね」
「だから誰にでもなの!!」
幸は顔を赤くして強めに言った。
美咲は幸の顔を見て笑いながらマフラーをきつく巻き直した。
2月始め。
気づけば周りは雪で真っ白で、歩く人皆が頬や耳を赤く染めていた。
1年なんて長いようで短くて。
季節が巡るのなんてもっとあっという間だった。
勉強が嫌で早く大人になりたいだなんて思ってた時期もあったけど
竜二といたあの時間は
永遠に続けばいいと思ってたよ。
気のせいでもいいから
竜二といた時間が
長く感じればいいと思ってた。
竜二はあたしといた時間。
あたしが隣にいなかった時間。
何を思って
何を感じていたんだろう。

