「もう2月だねぇ・・・」
「うん・・・」
冷たい風が、頬に突き刺さる。
黒いコートに白いマフラーを巻きつけ、幸は美咲と肩を並べて歩いていた。
買ったばかりの茶色いブーツが、積もった雪の上に足跡を残す。
「今年はもう中学三年だよ。早いよね。」
美咲の言葉に“最後の中学校生活”という言葉が頭をよぎった。
「それで来年には・・・卒業だね・・・」
美咲は嬉しいような悲しいような、複雑な顔をした。
それにつられて幸も小さくため息をつき、口から白い息を漏らした。
「そしたら幸・・・竜二に会えなくなるね・・・」
「・・・・。」
幸は黙り込んでいた。
藤田竜二。
幸の片思いの相手。
中学校に入学して同じクラスになった幸は、竜二とよく話すようになり、次第に竜二が好きになっていった。
そして中学二年のクラス替えで奇跡的にまた同じクラスになり、二・三年生は同じクラスなので、三年生もまた同じクラスになれる。
そんなことを考えると幸せでしょうがないけど・・・
卒業とともに竜二とは離れてしまう。
そしていつか・・・
竜二はあたしのことを忘れるんだろうな。
竜二はクラスの中心みたいな人で、男子にも女子にも好かれている方。
竜二は友達思いなんだ。
だからこんなあたしに可能性なんて
あるはずがない。
けど・・・卒業する前に
この気持ちを伝えたほうがいいのかな。
「うん・・・」
冷たい風が、頬に突き刺さる。
黒いコートに白いマフラーを巻きつけ、幸は美咲と肩を並べて歩いていた。
買ったばかりの茶色いブーツが、積もった雪の上に足跡を残す。
「今年はもう中学三年だよ。早いよね。」
美咲の言葉に“最後の中学校生活”という言葉が頭をよぎった。
「それで来年には・・・卒業だね・・・」
美咲は嬉しいような悲しいような、複雑な顔をした。
それにつられて幸も小さくため息をつき、口から白い息を漏らした。
「そしたら幸・・・竜二に会えなくなるね・・・」
「・・・・。」
幸は黙り込んでいた。
藤田竜二。
幸の片思いの相手。
中学校に入学して同じクラスになった幸は、竜二とよく話すようになり、次第に竜二が好きになっていった。
そして中学二年のクラス替えで奇跡的にまた同じクラスになり、二・三年生は同じクラスなので、三年生もまた同じクラスになれる。
そんなことを考えると幸せでしょうがないけど・・・
卒業とともに竜二とは離れてしまう。
そしていつか・・・
竜二はあたしのことを忘れるんだろうな。
竜二はクラスの中心みたいな人で、男子にも女子にも好かれている方。
竜二は友達思いなんだ。
だからこんなあたしに可能性なんて
あるはずがない。
けど・・・卒業する前に
この気持ちを伝えたほうがいいのかな。

