少しキツい口調で言い放ち扉を開け外に出た。 ゆっくり閉まる扉から、騒がしい音が小さくなり彼の悲しそうな顔がチラッと見えた。
 
 
 
 何で!!
 今迄気付かれた事は無かったのに。どうして分ったんだろう。
 何であんなに悲しそうな顔をするのよ!!
 
 
 
 彼のあの顔が今でも忘れられない。自分が傷付いてする顔では無く、まるで私の傷を知り悲しんでいる様に見えた。
 
 
 
 それが余計に私をイライラさせた。
 
 
 
 あなたは気付いていたんだね。私が明るく元気に笑っている程その裏では泣いていた事をその悲しみに耐えていた事を、誰よりも1番初めに気付いてくれたんだね。