いちごみるくのフェロモン

そのなかを突き進んでいくカイ。カイもまた、莫大な魔力を持っているため近づくことはできる。そして、止めることも。


しかし…結構キツイな。


平気といえば平気だが、ツライというのも事実だ。一歩ずつ近づいていく。


魔界を出た頃に比べて大人っぽくなったリリを見て、ぎゅっと抱きしめる。


「リリ。俺はここ。一緒にいるよ。」


感情がたかぶってるリリに優しく言う。魔力は少しずつ収まりつつある。


「かい…??」


「うん。俺。リリ…安心してこれからはずっと一緒だ。」


カイがいるの??ここに…??


そこでぷっつりとリリの意識が途切れた。強い風も、びりびりとした静電気も止まった。