目的の場所につくと、強い風。周りには野次馬だった生徒や教師が倒れている。その人間たちの真ん中からは強い魔力。


この感じ……リリだ。


普通は、温かみのある、安らぎを与えるリリの魔力。今は暴走している。泣き叫ぶようながむしゃらな魔力。その気に当てられてしまったんだろう。人間たちは絶えられず気絶しているのだ。


座って泣き叫ぶリリに近づく。結構、大変なものだ。しかし、止めないとリリにも負担はかかる。


「おい、コレどーなってんだ?」


ついてきたシンが聞いてくる。


「暴走…止めなければまずい。ついてこなくていい。」


ついてこなくていい…って、ちかづけねーよ。


このすさまじい魔力に同じ魔物のシンさえも近づけない。