「詩保 退院できるってよかったね」

前を歩く楓が振り返って言った


「本当だよなぁ。倒れたって聞いた時はどうなるかって思ったけど意外に早く退院出来そうで安心したよ。なっ秋維」


「でもまだ学校には行けそうに無いし。退院したら無理しないか心配だし・・・」

はぁ〜とため息つきながら言う秋維




「ホントに秋維は心配性ねぇ。そんなに心配なら彼氏にでもなって詩保のそばにいればいいのに」



「だよなぁ-」

長い間一緒にいるのに進展をみせない2人に楓も蛍斗は焦れったくって仕方ないのだ



「彼氏ってお、お前らなぁ//」


「あのねー秋維。
今はねぇ詩保の周りには私達しかいないけど元気になって学校に行き始めたらたっくさんの男が詩保の周りにいることになるのよ!!わかるその意味。

詩保は可愛いんだから秋維の手の届かない存在になるかも知んないんだからね。そこんとこちゃんとわかってる!?」

思わず思ってることを口に出して言ってしまった

「楓。ちょっと言い過ぎだぞ。秋維も思うとこあるんだろうし。あんまし責めるな。

まぁでも楓の言うことも一理あるからちゃんと詩保のこと考えとけ。
じゃあ俺は楓送って来るから。またなっ」

蛍斗からのしっかりした言葉

それを聞いて反論できなくなってしまった



(確かにいつどんな奴が現われてもおかしくないんだよな・・・)

心の中が不安で満たされてしまった