「転校生の御堂由衣さん」 担任が由衣を紹介すると由衣は軽く会釈しただけで席に着いた 異様な空気と痛い視線の中 隣の席は律子の娘の鈴で鈴は由衣があまり声を出さないと聞いていた 「じゃぁ授業はじめるぞ」 授業がはじまると立夏が用意してくれた教科書を開いて真面目に勉強している由衣 勉強は嫌いじゃない、何も考えなくてすむから 小学生の「あの時」以来勉強ばかりしていた 気づけば学年トップ、中学の試験もトップ 前の高校は主席で入学したが新入生代表で読む書類は読まなかった いや、読めなかった