君の声



 「由衣っ!?」


南の部屋に入るとギョッとされた


 「先生?」


どことなく様子がおかしい南に由衣は首を傾げた


それに今日は施設に入ってから誰にも会わなかった


 「ど、どうしたの?」
 (まさかこんな時に来るなんて…)

 「先生、みんなは?」

 「えっ?…あ~…お出かけしているのよ」


いつもの南と違って歯切れが悪い


 「先生、何かおかしいよ?」

 「そ、そんなことないわ。それより由衣はどうしたの?」