君の声



食事をしながら他愛ない会話が続いた


由衣も以前よりはぐっと声を出すようになったので、立夏も嬉しそうに話を止めない


 「立夏さん…」

 「ん?デザート?」


立夏がデザートのメニューを開いて由衣に見せた


 「ぅぅん…ちが……あの……」

 「由衣?」


 (聞いちゃってもいいのかな?)

 「由衣、何かあるなら言って欲しい…君は僕の大切な人だから」


立夏の言葉を聞いた途端に由衣のもやもやした気持ちがどこかに吹っ飛んだ

 (……うん…立夏さんを信じよう…あの人を信じちゃだめ…)


 「ぁ、あの…この後…」

 「この後?あぁ…行きたいとこがあるんだ」


 「行きたいとこ?」