結衣は机に向かって昨日出来なかった数学のプリントをやっていた。


えんぴつを持つ手はいつの間にか止まり、結衣の頭は玲央の事を考えていた。


――イギリスで何かあった・・・・・・なんだろう・・・・・・玲央に笑って欲しいよ・・・・・・。

あたしには見える玲央のとげとげの針を抜いてあげたい。


~~~~♪


ふっと携帯の音楽で我に返る。


着信は珠代だ。


「もしもし?」


『あ~ 結衣、起こしちゃった?』


電話の向こうの元気な声。


「ううん 起きてた」


『大丈夫?熱が出たって?下がった?明日は行ける?』


次々と出てくる質問に結衣は笑う。