「太るわよ?」


電話の終えた多恵子がキッチンをのぞいて意地悪く笑って言う。



「いいもんっ 買っておくママがいけないんだからっ」


あっけらかんと言う。



「あら、玲央くんの為に買ってきたのに」


「ママっ!」


――もう、自分の娘より玲央を優先するんだから・・・・・・。


「うそよ うそ 熱は下がったの?」


「うん 平熱になった だから明日の遠足行っても良いよね?」